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テセウスの船 感想

テセウスの船 感想

テセウスの船 感想

テセウスの船

講談社の青年コミックは危険

表題の通り、1冊読んだ日には全て購入してしまいます。丁度、私がテセウスの船を購入した時は一巻と二巻が無料のキャンペーンだったの迷わず購入しましたが、うーん見事にマーケティングにハマりましたね。全巻購入し、ストーリーを堪能させていただきました。
ずっと気になってはいました。レビューは安定して4.5以上ですし、何よりモーニングに掲載されていて面白く無い訳が無い。ただ、一度読むと続きが気になり過ぎて買ってしまう怖さから手を出せずにいましたが、まぁー面白かったです。


サスペンス好きにはオススメかも

「僕だけがいない街」をご存知の方は多いかも知れません。物語の全体の構図は少し似ている印象を私は受けました。

僕だけがいない街

ただ、少しネタバレになるかも知れませんが、テセウスの船の面白いところは過去改変をすることで発生するバタフライエフェクトにより、未来が変わり、謎がより謎になっていく点だと思います。つまり、本来の解決すべき問題が入れ替わることでどこを解けば主人公達が行きたい未来になるかが最後までわからないということです。


冤罪、本来罰すべき人

Twitterより

冤罪事件ってのは多かれ、少なかれあります。まず大前提に立ち戻り、日々、街の平和、国家の治安維持に務められている警察官職員の方々には敬意を表さなければなりません。ただ、人はミスをし、間違えを犯します。その問題と彼ら・彼女達の日々のお務めへの感謝の気持ちは別軸で考えましょう。

冤罪事件は大まかに3つの不幸を作ると思います。

1つ目は犯していない罪を着せられた被害者の方。全く身の覚えのない罪により投獄され、自由を奪われた方。上記のニュースで言えば内定を取り消され、人生の重要な時期に投獄された大学生です。人生設計は大きく崩れますし、何よりも一度逮捕されたいう周りからのレッテル・偏見・差別を受け続ける可能性があります。さらに他者に対する疑心が大きく芽生えることになります。人を心から信じられなくなる可能性があります。心身共に大きな被害を被ることになるでしょう。

2つ目は「罪」に対する被害者の方への不幸です。「罪なき者・冤罪者」を無意味に責め立てたことに対する罪悪感を抱くことになる可能性があります。こちらに関しては冤罪が晴れた時に発生する事象ではありますが、それでも無罪の者を責めること自体が無意味ですし、空虚です。憤りの矛先を間違え、罵声を浴びせ、冤罪者だけでなくその家族へも怒りをぶつけたところで「真犯人」と呼ばれる人は法で裁かれることなくノウノウと存在し続けるのです。これはとても不幸なことだと思います。

3つ目は「真犯人」が捕まらないことの不幸です。再犯の可能性は残り続けます。罪は人に被せることができるとわかれば、更なる冤罪被害者を生むことにもなります。また事件が根本から解決していない以上、捜査能力の向上にも繋がらないことにもなると思います。また加害者の罪を償う機会損失は加害者にとっても不幸なのかも知れません。ただ、こればかりは正直分かりかねるところではあります。

「テセウスの船」の大きなテーマに冤罪というのがあると思います。冤罪によって罪を着せられた主人公の父親、そして殺人犯の家族というレッテルを貼られた家族達。読んでいて心苦しいですし、家族に対して怒りをぶつける村の人達もとても不幸だと思いました。そうした「冤罪」を取り巻く不幸をしっかりと描いている作品だです。


過去改変を求める無意味な思考の脱却

過去を変えたいと思ったことはありますか?私はあります。あの時声をかけておけば、あの時これを知っていれば、あの時これをしなければ、あの時もっと側にいれば、あの時もっと技術力があったら、この記憶を持ってあの時に戻れれば。

過去には戻れません。もちろん将来的にタイムマシンが開発される展望は否定はしません。後悔は大いにすれば良いと思います。しかし、「テセウスの船」を読んで過去を変えたいと欲すること自体には何も意味がないのかも知れないなーと思いました。

例えば、「10年付き合いのある親友と口論し、絶交してしまった」という過去を変えるとします。その日はある居酒屋で2人で飲んで、酔いの後押しもあり普段から思っていたことを伝え、それが切っ掛けで口論となり、最終的には絶交してしまったとしましょう。
その過去をなかったことにするため、その日の親友との約束をキャンセルすることにします。もちろん、口論があった事実、絶交した事実はその時は消えると思います。その時の過去改変には成功します。しかし、その時点から日が経ち、結局その親友とは絶交することになると私は考えます。

つまり、その時の「口論、絶交」という事象は完全に回避できますが、口論の切っ掛けとなった「普段から思っていること」は残り続けてます。それ以外にも「酔いの後押し」からも想像できますが、お酒が入ると気が大きくなる事象・癖も残っています。過去を繰り返すという言葉がありますが、結局のところ、ある過去の事象を回避しても最終的には同じような結末に到達するのではないということです。一時しのぎにはなります。その過去の瞬間の事象はきっと回避できたり、改善することはできるとは思いますが、過去改変はその時を担保していてもその先の未来の担保は一切してくれません。一度改変からすぐ様全く知らない未来になってしまうのです。

「テセウスの船」は「過去」とどう向き合い「今・未来」をどう生きるかというのもテーマの1つなのでないかなっと思いました。過去から今、そして未来をどう生きるか。私は読みながら上記のようなことを悶々と考えていたわけであります。


あとがき

読み易いです!オススメです!いやー本当にKindleはやばいですね。面白い漫画があったらすぐにポチってしまいます。

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